ビグアナイド薬 1/3

ビグアナイド薬は1950年代に登場した非常に歴史のある薬です。肝臓での糖新生の抑制が主な作用で、インスリン抵抗性を改善します。食欲抑制効果があり体重増加は生じにくいです。後ろ向き観察研究ではメトホルミンは発がんリスクを有意に低下させています。(Libby G, et al: Diabetes Care 32: 1620-1625, 2009)
ビグアナイド薬の1種であるフェンホルミンは乳酸アシドーシスという極めて重篤な副作用が多数報告されたためにメトホルミンも長い間使用が控えられていましたが、UKPDSのような大規模臨床試験により,メトホルミンの安全性と有用性が示されたことで、使用は著しく増加することとなりました。現在本邦でビグアナイド薬として使用するのはメトホルミンのみと考えてよいでしょう。