メトホルミンの抗がん作用

メトホルミンは2型糖尿病の治療薬として有用ですが、

その中でも抗がん作用の可能性があることが知られています。この報告はメトホルミンの抗腫瘍効果をコホート研究で調べたものです。

2型糖尿病患者のメトホルミン使用者と非使用者を比較し、癌の発症者を調べました。また、性・年齢・BMI、HbA1c・貧困・喫煙・その他の薬剤使用といった、癌の発症の影響を及ぼす項目を調整し、その影響を取り除いた結果でもメトホルミンは有意にがんの発症リスクをされることが明らかとなりました。

インスリンは細胞増殖活性があり、2型糖尿病患者さんは癌のリスクが高くなることが知られています。メトホルミンはインスリン抵抗性を改善し、インスリン分泌を抑制することで癌の進展を抑制するのではないかと考えられています。 AMP-activated protein kinase (AMPK)を活性化することで腫瘍抑制効果があるそうです。

メトホルミンを使用している場合、例えば、造影CTを受けるときにその前後でメトホルミンを中止する必要があるなど面倒なことがあることも確かですが、それでも2型糖尿病患者さんには大変有用な薬だと思っています。

(Libby G, etal.Diabetes Care. 2009 32:1620-5)

最後に、

かみうち内科クリニックは、今年7月8日に開業し、すでに5か月が過ぎました。内科領域、特に糖尿病・1型糖尿病治療を専門としております。開業後、数多くの糖尿病専門医療機関から当クリニックを選び、糖尿病治療目的に多くの方が来ていただいたことは大変うれしく思っています。今後、糖尿病治療技術をさらに高めていくよう、私も努力していく所存であります。

来年もよろしくお願いいたします。