糖尿病と運動 3/14

一方、1型糖尿病に対するステートメントでは、以下のようになっています。

1型糖尿病患者では、長期的な運動による血糖コントロール改善効果に一定の見解が得られていないが、心血管疾患のリスクファクターを改善させ、生活の質(quality of life: QOL)を改善させる。

推奨グレードB 合意率100%

1型糖尿病の場合、運動による血糖変動が強いため、運動前、運動中、運動後に補食やインスリンの減量が必要となり、技術を要します。低血糖のリスクが増えるため、低血糖を起こした時に食べ過ぎてしまうとその後血糖は上昇し、低血糖の恐怖感から運動することを躊躇してしまうことも多いです。このようなことから、1型糖尿病の場合、運動によってHbA1cが低下するという報告は乏しいのです。しかし、進行した合併症がなく、血糖コントロールが良好であれば、インスリンや補食を調整することにより、いかなる運動も可能です。