血糖を乱す原因となるもの(1型糖尿病の場合)1/3

  1. 暁現象

明け方に、インスリン拮抗ホルモンの影響などにより血糖上昇を来たします。朝食時のCIR(炭水化物/インスリン比)は昼夕食と比較し低くなる、つまりインスリン1単位で取れる炭水化物量が少なくなるのです。言い換えると朝食はインスリンの効きが鈍くなることが多いのです。毎日同じような変動を示すので、パターンさえ理解すれば、国内にいる限りあまり問題にならないことも多いです。

  1. 運動

運動中は運動の強度や時間に応じて、基礎インスリンの減量が必要です。運動前に食事をするときは追加インスリンを25-75%ほど減量します。激しい運動をした時には1-2日後も基礎インスリン減量が必要な場合もあります。運動後は食事に対するCIRも上昇します。つまりインスリンの効きが良くなるのです。

  1. 高蛋白・高脂質食
    高蛋白質食は、3時間後からゆっくりと血糖上昇を来たします。一方、高脂質食は胃からの食物排出を遅らせ、血糖上昇が遅れる原因となります。高蛋白・高脂質食に加え炭水化物量が少ない場合には、血糖はすぐには上昇せず数時間後から血糖上昇が続くようになります。
  2. アルコール摂取
    アルコール自体は血糖を上昇させませんが、アルコール飲料には様々な量の炭水化物を含むため、CIRに従い追加インスリンを打つことになります。例えばビール350ml中には炭水化物が10g程度含まれています。また、アルコールには糖新生を抑制する作用があり、大量の飲酒後しばらく経ってから低血糖を起こすことがあります。

まだまだあります。続く…