緩徐進行1 型糖尿病疑いに対する治療介入 19/20

要点をまとめると以下のようになります。
1.SU 薬の使用を避ける。
2.インスリン治療はSU 薬との比較試験では内因性インスリン分泌能が保持されるとのエビデンスがあることから望ましい治療であるが、SU 薬以外の薬剤と比較した報告はない。従って、必ずしもすべての症例にインスリンを早期から使用するべきというエビデンスはない。
3.DPP-4 阻害薬は選択肢の一つとなりうる。
4.BG 薬についてもその使用を妨げるものではない。
5.その他の血糖降下薬については、現時点ではピオグリタゾンの使用は推奨されず、GLP-1 受容体作動薬、SGLT2 阻害薬、α グルコシダーゼ阻害薬、グリニド薬、イメグリミンについては、エビデンスに乏しく、今後の検討課題である。


いずれの薬剤を選択した場合でも、経時的に血糖コントロール状態や膵島β 細胞機能(C―ペプチド測定)を評価して、慎重な経過観察を継続することが望まれる。血糖コントロールの悪化や内因性インスリン分泌の低下が疑われる場合には、速やかにインスリン治療を導入するなどの対応によって、インスリン依存状態への進行抑制に資する治療への変更が望まれる。