血糖を乱す原因となるもの(1型糖尿病の場合)2/3

  1. シックデイ
    食事量や運動量の低下、ステロイドホルモン分泌上昇などにより、血糖値は上昇傾向・予測困難となります。基礎インスリンは同量もしくはやや増量し、血糖上昇した場合にはインスリン効果値に従い追加インスリンを打つことで補正します。食事量が少なくなる場合にはカーボカウントにしたがって追加インスリンを投与する。ただ、インスリン効果値やCIRは低くなることが多いので血糖は下がりにくくなります。ポンプであれば基礎インスリン増量が容易になるので血糖コントロールはペンに比べてやりやすくなります。
  2. 妊娠中
    血糖コントロールは厳格に行う必要があります。通常の基礎インスリン/総インスリン比(B/T比)はペンなら30-40%程度、ポンプなら20-30%程度ですが、妊娠中はインスリン必要量は増大し、B/T比も上昇します。妊娠後期になるとB/T比は50%程度になる場合があります。CIRは低下しますが、胃排出速度が遅れるため、食後しばらくして血糖が上昇する傾向がでます。出産後はインスリン必要量は速やかに減少し、一日量としては30%ほど減量が必要となることもあります。
  3. 生理の前後
    生理開始直前から終了直前までの間に、血糖は上昇しやすくなる場合があります(プロゲステロンなどホルモンの影響)。血糖上昇する期間・程度は個人差が大きいです。基礎インスリン・追加インスリンともに10-20%増量が必要になることが多く、シックデイのときに準じてインスリンの単位数を増量します。

続く…