典型的な糖尿病性腎症はまずは尿中アルブミン量が増加し第3期まで進んでもeGFRは低下せず、その後eGFRが低下し第4期、第5期と進むことになりますが、すべてがそのような臨床経過をたどるとは限らず、eGFRと尿中アルブミンが乖離する場合もあります。つまり尿中アルブミンはほとんど増加しないにもかかわらずeGFRのみ低下してくるという場合です。腎機能障害は高血糖によっておこるだけではなく、動脈硬化によっておこる腎硬化症も原因となっている可能性が示唆されています。そのため腎症進展の予防のためには血糖コントロールだけでなく、肥満是正、禁煙、血圧の管理、脂質の管理も重要とされているのです。