チアゾリジン薬 2/4

ピオグリタゾンの血糖降下作用は良好ですが,体重増加する例が多いのが難点です。その原因として、インスリン作用増強により腎尿細管でのナトリウム(Na)の再吸収を亢進させる可能性が示唆されています。水分貯留を示す傾向があり、心不全患者、心不全の既往がある患者には禁忌とされています。体重増加のため、ピオグリタゾンの中止が必要となることも少なくありません。チアゾリジン薬のトログリタゾンは副作用として重篤な肝障害が報告されたため、日本においては2000年に販売中止となっており、現在使用できるピオグリタゾンにおいても重篤な肝障害を持つ方には処方禁忌となっています。そのためピオグリタゾンの投与中には定期的に肝機能検査を行います。ただ、実際にピオグリタゾンで肝機能障害が出現することはほとんどありません。

また、女性において骨折の発現頻度上昇の報告があります。