そのため、この目標が設定されたことで、HbA1cを上げなければならないことを非常にストレスに感じる場合があるのです。今まで、HbA1cを下げるために頑張っておられた人たちの気持ちは十分理解できるのですが、その方に持続グルコースモニターをつけて24時間の血糖推移をみてみると、ほとんどの方が低血糖を起こしています。特に夜間の低血糖が問題と思います。
低血糖を起こすリスクのある糖尿病薬剤を使用している65歳以上の方に対して、HbA1cの下限が設けられました。低血糖のリスクを減らす目的で、私自身これには賛同しますが、対象となる方の中には、もともとHbA1cを6%台に頑張ってしているという方もおられます。主治医から、このコントロールでいいねと言われ続けていた方すらおられます。低血糖のリスクが明確になったのは2008年に発表されたACCORD試験からで比較的最近のことなのです。
かみうち内科クリニックでは、可能な限り十分に説明をして、できる限り低血糖を起こさないような設定にしていけるよう、個別に相談していきます。