糖尿病という病気は古くから知られていました。糖尿病の歴史を参照してください。
糖尿病は紀元2 世紀Cappadocia のAretaeus が‶diabetes”と命名したそうです。diabetesとは、サイフォン、つまり、通り過ぎるという意味の語源になります。紀元前の中国では「黄帝内経素問」,「金匱要略」に記載されている「消渇」が糖尿病を指し、日本でも消渇、あるいは、「渇きのやまい」と呼ばれていいました。洋の東西で、糖尿病に「尿」の文字を用いず、水や食べ物が消える、通過するという意味の「消渇」、‶diabetes”、「渇きのやまい」という病名を与えていました。
血糖が著明に高くなると、多尿の症状が出現し、水分を飲んでも飲んでもすぐに出ていってしまう、からからに渇いてしまう病気として、似たような病名が与えられていたのです。
現在、糖尿病は英語で “diabetes mellitus”といいます。”mellitus”は「甘い」という意味ですが、かつては尿が甘いことは西洋では知られてはおらず、今では全く別の病気である「尿崩症」も”diabetes”とひとくくりにされていました。
(羽賀達也他. 糖尿病49. 633-635: 2006より)