かみうち内科クリニック(内科・糖尿病内科)院長 神内 謙至です。
皮膚科や膠原病内科、呼吸器内科などでステロイド治療を受けている際に、血糖値の異常を指摘されて当院にご相談にいらっしゃる方がおられます。「糖尿病ではなかったのに、なぜ急に血糖値が高くなったのか」と戸惑われる方も多く見られます。本稿では、ステロイドと血糖値の関係、いわゆる「ステロイド糖尿病」の仕組みと対応について整理し、解説いたします。
なぜステロイドで血糖値が上がるのか(機序)
ステロイド(副腎皮質ステロイド)は、体の中で本来コルチゾールというホルモンが担っている働きを補う薬です。コルチゾールには血糖を上昇させる作用があり、肝臓での糖の産生を促進したり、筋肉や脂肪組織でのインスリンの働きを弱めたりする方向に作用します。治療のためにステロイドを投与すると、この血糖上昇作用が薬理量として強く現れることがあり、これが「ステロイド糖尿病」と呼ばれる状態です。
もともと血糖が上がりやすい体質を持った方は、この影響がより出やすい傾向があります。2型糖尿病が体質的な要因を大きく含む病気であることと同様に、ステロイドに対する血糖の反応にも個人差があります。
ステロイド糖尿病になりやすい人の特徴
ステロイドの投与量が多く、投与期間が長いほど、血糖への影響は出やすくなる傾向があります。また、もともと血糖値がやや高めであった方、糖尿病の家族歴がある方、肥満傾向のある方では、ステロイド投与をきっかけに血糖値の異常が顕在化しやすいことが知られています。
一方で、こうした要因がなくても血糖値が上がる方もおられ、これも体質的な個人差として理解しておく必要があります。
血糖値の上がり方の特徴
経口ステロイドの多くは朝に服用することが多く、その作用の特徴から、昼食後から夕方にかけて血糖値が上がりやすいパターンが見られることがあります。朝の空腹時血糖だけを確認していると、この変動を見逃してしまう場合があるため、昼や夕の血糖値もあわせて確認することが重要です。
ステロイドは、もともとの疾患の治療のために必要な薬であるため、血糖への影響は、糖尿病内科の側で調整していくことが基本的な考え方になります。
糖尿病内科でできる対応
対応の中心になるのは、血糖の変動パターンを把握したうえでの治療調整です。内服薬による治療で対応できる場合もあれば、血糖の上がり方によってはインスリンによる調整が必要になる場合もあります。ステロイドの減量に伴って血糖値も変化していくため、経過を見ながら治療内容を調整していくことになります。
発熱などの体調不良時にも血糖は変動しやすくなりますので、あわせて知っておいていただくとよいかと思います。
もともとステロイドを処方している診療科の主治医の先生と連携をとりながら進めていくことも大切です。当院では、他科の主治医の先生と情報を共有しながら血糖管理を行う体制をとっています。
【京都】ステロイド糖尿病でお困りの方へ
当院は京都市中京区、地下鉄東西線二条駅から徒歩3分の場所にあります。皮膚科・膠原病内科・呼吸器内科など、他院でステロイド治療を受けておられる方の血糖管理についてもご相談いただけます。日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン」でも、ステロイド投与時の血糖管理について言及されています。
専門医として伝えたいこと
ステロイド治療と血糖管理は、両立できないものではありません。もともとの疾患の治療を続けながら、血糖の変動をきちんと把握し、必要な調整を行っていくことで、無理なく治療を続けていくことができます。血糖値の指摘を受けて不安に思われた方も、一人で抱え込まず、まずはご相談いただければと思います。
当院では、私自身が1型糖尿病であり、糖尿病専門医も取得しております。もし他のクリニックさんで合わないと感じられた方もぜひお気軽にお越しください。ステロイド治療中に血糖値を指摘された方は、どうぞお気軽にご相談ください。
かみうち内科クリニック 院長 神内 謙至


