インスリンの種類と選び方 〜超速効型・持効型など専門医が解説

かみうち内科クリニック(内科・糖尿病内科)院長 神内 謙至です。

インスリン治療が必要と説明を受けた方から、「インスリンにも種類があるのですか」というご質問をいただくことがあります。ひとくちにインスリンといっても、作用が現れるまでの時間や持続時間によっていくつかの種類があり、体の中で果たす役割も異なります。本稿では、インスリンの種類とその使い分けの考え方について整理し、解説いたします。

インスリンには種類がある(全体像)

体の中でインスリンは、大きく2つの役割を担っています。ひとつは、食事をとっていないときでも血糖を一定に保つための「基礎インスリン」、もうひとつは、食後に上がる血糖を抑えるための「追加インスリン」です。

治療で使われるインスリン製剤も、この2つの役割に対応するように分類されています。作用が現れるまでの速さと、作用が続く時間の長さによって、超速効型・速効型・中間型・持効型などに分かれます。

超速効型インスリンとは

超速効型インスリンは、注射後比較的早く作用が始まり、食後の血糖上昇を抑える役割を担います。食事の直前に注射することが多く、追加インスリンとして使われる代表的な種類です。作用時間が3-4時間程度と短いため、食事の量やタイミングに合わせて調整しやすいという特徴があります。ただ、タンパク質や脂質の多い食品をとった場合には食後3-6時間ほど血糖上昇が続くため、超速効型インスリンでは対応しきれない合があります。その場合、超速効型インスリンを後で打つ、作用時間が6-8時間程度の速効型インスリンを使用する、等の対応を行うことがあります。

持効型インスリンとは

持効型インスリンは、注射後12-36時間と長時間にわたって作用が続くタイプです。食事の有無にかかわらず、一日を通じた血糖の土台を支える基礎インスリンとして使われます。1日1回の注射で済むものが多く、生活リズムに組み込みやすいという特徴があります。日によって運動量の変化が強い場合は基礎インスリンの必要量が日々変わるため、作用が短めの持効型インスリンを使用するとよいでしょう。そうでない方は作用が長めの持効型インスリンを使用するとうまくいくことが多いです。中間型インスリンは白く濁ったタイプのもので注射前に毎回混濁させる必要があり、作用時間は12-18時間程度です。混濁は十分にされていても日によって効果が変わり血糖に変動がでる(日差変動)ことがあります。

どのように使い分けるのか

治療の組み方は、糖尿病の種類や病態、生活リズムによって異なります。インスリン分泌がほとんど失われている1型糖尿病では、基礎インスリンと追加インスリンの両方を自分で補う必要があります。2型糖尿病では、内服薬による治療を経てからインスリン治療が必要になる場合もあれば、初期からインスリンを併用する場合もあります。

インスリンの補い方には、ペン型注射を使う方法が主流ですが、1型糖尿病やそれに準じる病態の方はインスリンポンプを使う方法もあります。インスリンポンプは、超速効型インスリンのみを使い、基礎インスリンの注入速度を細かく設定できるという特徴があります。運動などで一時的に基礎インスリンを減らしたい場合にも対応しやすく、生活の変化に合わせた調整がしやすいという面があります。

インスリンポンプを使用した方の感想で最も多いのは「楽になった」です。1型糖尿病では1日に何度もインスリン注射が必要なため、ポンプで注入する方法は楽に感じるでしょう。インスリン注入方法も数多くあり、血糖コントロールの安定にもつながります。一方、ポンプの手技取得に時間がかかることがあります。イメージとして、スマホの操作が十分にできる人はポンプの手技も取得できる、それぐらいの難しさです。ポンプを使用する場合には医療費が高額になることも知っておかないといけません。月に7,500円の増額となります。

【京都】当院のインスリンポンプ・CGM対応

当院では、インスリンポンプ療法や持続グルコース測定(CGM)にも対応しています。私自身、15歳で1型糖尿病を発症し、現在もインスリンポンプ療法を続けています。ポンプに精通したスタッフとともにチーム医療としてきめ細かな治療を行っています。

フリースタイルリブレやdexcom G7の使用に関する情報は、別の記事でもご紹介しております。

当院は京都市中京区、地下鉄東西線二条駅から徒歩3分の場所にあります。1型糖尿病の治療、インスリンポンプの導入・調整についてご相談いただける、京都では数少ない専門医療機関のひとつです。

なお、2型糖尿病と診断されている方の中にも、血糖が下がりにくい体質を持った方が含まれることがあり、その場合には緩徐進行性1型糖尿病の可能性も踏まえた評価が必要になります。

専門医として伝えたいこと

インスリンの種類や使い方は、決して一律ではありません。それぞれの体質や生活に合わせて調整していくものであり、選択肢が複数あるということ自体が、治療の幅を広げてくれるものだと捉えていただければと思います。

当院では、私自身が1型糖尿病であり、糖尿病専門医も取得しております。糖尿病治療に精通したスタッフとともにチーム医療を行っております。もし他のクリニックさんで合わないと感じられた方もぜひお気軽にお越しください。インスリン治療について不安のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

かみうち内科クリニック 院長 神内 謙至