インスリン治療の命題-4つの視点 1/5

インスリン治療を行う際に4つの視点があると言われています。

  1. 血糖コントロール

インスリン治療によってHbA1cが低下するかどうか、空腹時や食後の血糖が安定するかどうか、最近では持続グルコースモニターで血糖のばらつきが落ち着くかどうか。

持続グルコースモニターではTime in range(TIR)つまりグルコース値が70~180までの間に入っている時間がどれぐらいあるのかも指標となります。一般的には70%を目標にするとよいと言われています。Time below range(TBR)はグルコース値が70未満である時間、Time above range(TAR)はグルコース値が180より高い時間を示します。HbA1cが低下すると、TIRは上昇し、TARは低下する傾向にありますが、TBRは、1型糖尿病の場合にはHbA1cと相関しません。つまり、HbA1cが高くなっても低血糖が起こりにくくなるわけではなく、低血糖を予防するには独自の技術が必要になるということです。