カーボカウントの考え方 2/6

例えば,仕事中、昼食の時間もまちまちになり、食事の内容を考えて摂る余裕がないこともあるでしょう。また、普段は食事をバランスよくとっていても、ときには友達と一緒に食事をして、好きなものを食べたいと思うこともあるでしょう。そんなときにこそ、カーボカウントは威力を発揮するのです。普通の人と同じように食事を摂り、カーボカウントに従いインスリンを打つという血糖コントロール方法は、患者さんの生活の自由度を保つことが期待できます。これこそがカーボカウントの最大のメリットだと考えます。一方、食品交換表を用いた食事療法は食べ過ぎたときにどうすればいいか、に対しての答えを持ち合わせていないのが最大の欠点になります。

カーボカウントは食事量に合わせてインスリンの調節をする方法で、血糖コントロールに適しています。一方、食品交換表を用いた食事療法は、健康のために理想的だとされている食事内容で、体重のコントロールに適しています。個々の患者さんに対して血糖コントロールと体重コントロールがどの程度重要性を持つのか、また個々の患者さんの食事の好みがどんなものなのかなどを考え、食事療法の内容が決まってきます。