糖尿病の成因と病態 7/17

本邦での糖尿病の90-95%は2型糖尿病と考えられています。2型糖尿病はインスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体でそれにインスリンの相対的不足をともなうものなど、によって発症します。

インスリン分泌低下とは、膵臓からインスリン分泌する能力が落ちてしまっていること。2型糖尿病では、1型糖尿病のように自己免疫機序によってβ細胞が破壊されインスリン分泌低下が起きるのではなく、体質としてインスリン分泌量が減ってしまいます。インスリン分泌低下があると血液中のインスリン量は低い数値を示しています。

インスリン抵抗性とは、インスリンの血糖を下げる効果が落ちていること。そのため血糖を下げるためにより多くのインスリンが必要となってしまいます。インスリン抵抗性が強い場合には血液中のインスリン量は高い数値を示しています。インスリンを多く分泌しないと血糖が下がらないため、その限界が来ると血糖は上がってくることになります。

2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が組み合わさって出てくることになります。大まかにいうとインスリン分泌低下の強い2型糖尿病はやせ型の方が多く、インスリン抵抗性の強い2型糖尿病は肥満の方が多いです。