サンフランシスコでの糖尿病臨床見学

2007年にサンフランシスコのUCSFのインスリンポンプ外来を見学しました。当時のM教授に、インスリンポンプについていろいろと教えていただき、大変興味深い経験だったことを今でも覚えています。私は、当時インスリンペンで治療していました。インスリンポンプについては知ってはいましたが、ポンプがずっと自分の体に取りつかれているストレスを思うと、なかなか始める踏ん切りがつかなかったのです。

M先生は、そんな私に、「日本人はポンプ治療について消極的なのは知っている。なぜ君はポンプをしないのか?一度やってみたらいい。いやならやめたらいい。そんなに深く考えなくていいんだよ」と話していただきました。外来ではポンプをつけている患者さんの印象を聞いてみると、ポンプが絶対にいいという方から、デメリットもあるがメリットも大きいので使っているという方まで様々でした。

その結果私は日本に戻り、すぐにインスリンポンプを始めたのです。やってみるとこんなにいいものだと初めて理解できました。今では私のクリニックで、M先生が私に話していただいたように1型糖尿病患者さんにインスリンポンプについて説明しています。深く考えずに取り敢えずやってみたらいいのです。いやならやめたらいい。