心筋梗塞、狭心症を起こした患者において,アトルバスタチン(リピトール®)による強力な脂質低下治療の死亡および主要な心血管イベント抑制効果をプラバスタチン(メバロチン®)による標準的治療と比較したものです。
アトルバスタチンによる強力な治療(LDL-C:62mg/dLに低下)を行った群においてプラバスタチンによる標準的治療(LDL-C:95mg/dLに低下)を行った群に対して心血管イベントを起こす率が低下すれば、LDL-Cは下げればそれだけ効果があることが実証されたことになります。
結果、スタチンによる強力脂質低下療法は有意な保護効果を示しました。糖尿病患者さんはそのうち18%であり、糖尿病患者さんを対象に行われた調査ではないですが、それでも糖尿病を有するだけで心血管疾患のリスクは高くなるため、私もこのエビデンスは重要視しています。
現在、本邦でのガイドラインでも、
LDL-C70mg/dL未満、Non-HDL-C100mg/dL未満を考慮する病態として、家族性高コレステロール血症と急性冠症候群のほか、「糖尿病で他の高リスク病態を合併する時」が挙げられています。糖尿病で考慮すべき高リスク病態とは、喫煙、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病(CKD)、末梢動脈疾患(PAD)、非心原性脳梗塞、主要危険因子の重複となります。
悪玉コレステロールであるLDLを下げることは糖尿病を有する場合には特に重要となるのは確実だと思います。
日本語での説明はこちら
https://www.ebm-library.jp/circ/trial/doc/c2001727.html
(Cannon CP et al for the pravastatin or atorvastatin evaluation and infection therapy-thrombolysis in myocardial infarction 22 investigators: Comparison of intensive and moderate after acute coronary syndromes. N Engl J Med. 2004; 350: 1495-504. )