高齢者糖尿病 続き

私は2007年にアメリカ サンフランシスコの大学病院やクリニックに糖尿病臨床の見学をしたことがあります。その時に以前から知りたかったアメリカでの高齢者糖尿病の治療について、高齢者のインスリン注射手技の工夫点について聞いてみました。

そうすると、そのドクターはひとこと、家族やデイケアでサポートすれば問題はないとのことでした。それが利用できない人はどうするのか聞いてみると、少し考えた後「そんな人は病院に来ない」という返事だったのです。それ以外にも質問をしようとあらかじめ考えていたのですが、ここで会話は終了してしまいました。アメリカの治療というのはサポートを受けられる人”だけ”が病院を受診し治療を享受できるのです。

私自身、こんなものなのかとびっくりしたのと、悩んでいることは実は誇るべきことなのだと日本の治療がいいように思えてきました。国民皆保険制度というのは問題が多いことは確かですが、利点も十分にあるのです。逆にアメリカの医療は患者との交渉により治療が決められ、裕福であればいい治療が受けられるのです。

とにかく、これからどんどん増えてくる高齢者糖尿病に対して、最近は新しい治療薬が開発され、注射のデバイスも改良され、治療法は次第に良くなってきていることが救いではあります。