1型糖尿病と筋骨格機能

成人1型糖尿病患者において筋力の低下や骨粗鬆症の進行を認めることが以前より知られています。
この報告では、罹病期間が <6年 と >9年 の条件を満たす14歳から19歳の1型糖尿病患者95名(16.2±1.2歳)で検討を行ったものです。

>9年の群では筋骨格機能の低下を認めたようです。HbA1cや25-ヒドロキシビタミンDの数値と骨・筋肉のパラメータに有意な相関は認めませんでした。1型糖尿病を有していると思春期の頃から筋骨格機能は低下している可能性を示唆するものです。インスリンはタンパク合成を促進することから、自己分泌が欠損していることが何らかの影響を及ぼしている可能性があります。また、副甲状腺ホルモンが低値なほど、筋骨格機能は保たれており、必要な場合ビタミンDの投与が必要になるかもしれません(ビタミンDの過剰投与は副作用をきたすことが知られており、注意が必要です)。
(Maratova K, et al. Bone. 2018, 106:22-27)

カテゴリー: EBM