αグルコシダーゼ阻害(αGI)薬 3/4

欧州及び北米におけるSTOP-NIDDM試験では,アカルボースによりIGT症例で心血管イベント抑制効果が認められ(Chiasson JL, et al: JAMA. 290: 486-494, 2003)、糖尿病予備群の状態である耐糖能障害(impaired glucose tolerance:IGT)に対するボクリボース0.2mg錠の投与が承認されています。
メタ解析(過去に行われた過去の小規模臨床研究を寄せ集めた解析方法)であるMeRIA7ではアカルボースにより2型糖尿病症例で心血管イベント抑制効果を認めていましたが (Hanefeld M, et al: Eur Heart J. 25: 10-16, 2004) 、以前よりメタ解析の方法に疑問があったことも確かでした。2017年、中国でエビデンスの信頼性がより高い前向き二重盲検試験を行い、耐糖能異常を有す心血管ハイリスク患者において心血管イベント抑制効果を認めないとする報告がありました (Holman RR, et al: Lancet Diabetes Endocrinol. 5:877-886, 2017)。そのため現在、αGI薬は2型糖尿病に対して心血管イベント抑制効果を認めないと考えたほうが良いでしょう。