ビグアナイド薬 3/3

メトホルミンの用量を増やすと、血糖コントロールは改善することが多く、腎機能障害がなければ、メトグルコ®の場合は最大2,250mg/日まで増量できます。ただし、増量時には悪心・嘔吐や下痢・便秘などの消化器症状が出現することがあり(日本人には特に多いといわれています)、その症状がどの程度なのか相談しながら漸増させていくのがよいでしょう。70歳以上でも腎機能障害がないことが条件ですが、250mg/日もしくは500mg/日程度の処方は可能です。80歳以上の場合はCr値が正常でも腎機能は低下していると考えられ、投与は勧められませんが、高齢者の場合にはメトホルミンの血糖低下作用は良好であることが多く、中止するとHbA1cは上昇してしまいます。そのため、高齢者のメトホルミンを継続するかどうかは個別に検討する必要があると思います。

また、メトホルミンの長期服用はビタミンB12欠乏をきたすという報告があります。メトホルミンを服用中の方に必ずビタミンB12の測定が必要というものではないですが、貧血が出てくるようなら貧血に対する精査とともにビタミンB12の測定をしておくとよいでしょう。