チアゾリジン薬 4/4

同じインスリン抵抗性改善作用を持つメトホルミンとピオグリタゾンですが、作用機序は違うため血糖低下の程度は患者によって異なります。ピオグリタゾンは処方してみないと体重が増加するかどうかわからない難しさがあります。近年、PROactive試験の結果については批判的な意見があり(ピオグリタゾンが心血管疾患の予防効果があるとする報告はこの一つしかないのです)、ピオグリタゾンの心血管疾患の進展予防効果については疑問があることは確かであるため、どうしても処方の優先順位は下がってしまいます。しかし、数種類の経口血糖降下薬でも血糖コントロールが今ひとつで、あと1剤追加するときにピオグリタゾンを選択すると、劇的に改善する場合があることも事実なのです。HbA1cが低下することこそが、合併症予防の有用なマーカーです。体重増加のリスク軽減のため、ピオグリタゾンの通常用量15mgの半量から開始するのもよいでしょう。