以上、注意点についてはこまごまと述べましたが、実際には、臨床で使用する際に、単剤で低血糖をはじめとする重篤な副作用はほとんどなく、経口血糖降下薬の中では使いやすい薬といえます。特に、高齢者の場合は、低血糖などの副作用が出た場合、その影響が強く出るため、若年者と比べて糖尿病薬を処方する場合には注意が必要です。低血糖のリスクがあるSU薬は当然のことながら注意が必要ですし、ビグアナイド薬も高齢の場合は使いにくいです。DPP-4阻害薬は心血管イベント抑制効果はないものの、副作用をそれほど気にせずに処方できることが最大の利点だと考えます。
2015年、DPP-4阻害薬に週1回製剤が発売されました。仕事が忙しく休みの日なら飲むことができる方服薬回数・量をできるだけ減らしたい方、家族が服薬管理している場合などには試す価値があると思われます。