GLP-1受容体作動薬 6/10

人間は、もともとは飢餓と闘いながら生存してきました。その時にも、まれに食物がたくさん食べられる機会があったのでしょう。その時には腹いっぱい食べようと思うはずです。そういう状況でインクレチンは威力を発揮するのです。血糖は上がりすぎないようにし、食べたものは胃の中に停滞させ、食欲を落とし、もうこれ以上食べるとよくないよと指令を送るホルモンなのです。しかし、飢餓状態の時にはこのインクレチンが強く作用しすぎてしまうのは、やはり良くなかったのでしょう。DPP-4により速やかにインクレチンの効果をなくすことで、食べ過ぎたときの短期間だけ効果を及ぼすようになっていったのだと思われます。
そう考えると、インクレチンホルモンの効果はこの飽食の時代には有効であるように思うのです。