基礎インスリンの必要量は時間帯によって変わってくることがほとんどです。
もっとも有名なのは、明け方にコルチゾールや成長ホルモンといった血糖上昇ホルモンが上昇することで起床前より数時間血糖上昇作用が続く、「暁現象」があります。この暁現象は若い時には著明ではないのですが、年齢を重ねるごとに強くなる傾向があります。
午前中に暁現象は落ち着きますが、そうすると基礎インスリン量は減っていきます。仕事や学校などに出かける方は運動量が増えるため、さらに基礎インスリン量は減ることになります。そして、夕食時に家に帰りゆっくりすると、運動量が減り、再び基礎インスリン量はすこし増える傾向に出ます。この夕方以降に基礎インスリン量が増える現象を「薄暮現象」と呼びます。このように、必要な基礎インスリン量は明け方と夕刻の2回にわたって上昇し、二峰性となることが多いのです。