CNAMTS研究

フランス行政当局がフランス国内の保険データベース内の約150万人の糖尿病患者(40~79歳)に関する2006年~2009年のデータを用いて、膀胱癌等の癌発症率を検討した疫学研究 (後ろ向きコホート研究)です。全体解析において、膀胱癌は糖尿病薬であるアクトス投与患者(約16万人)では175例、非投与患者(約134万人)では1,841例にみられ、アクトス投与患者で膀胱癌の発症率が高くなりました(ハザード比1.22、95%CI 1.05 – 1.43)。また、アクトス投与期間が長くなると膀胱癌のリスクは高まり、投与期間12ヵ月以上ではハザード比は1.34(95% CI 1.02 – 1.75)でした。 
分かりにくいですが、まとめますと、米国の2型糖尿病患者さんの場合、アクトスによって1万人に1-2人程度膀胱癌が増えたようです。このため、アクトスを処方開始するときには主治医は必ず、膀胱がんのリスクについて患者に話さないといけません。そのため、アクトスを処方する頻度がどうしても落ちてしまうのです。