ただ、タンパク質・脂質の血糖上昇作用は炭水化物と比較して弱いながらも持っています。タンパク質・脂質を多く含む食品を摂ると,約3時間後から血糖が上昇することが報告されています(Smart CE, et al. Diabetes Care. 2013; 36: 3897-3902)。また,炭水化物の質によっても血糖上昇度は変化することが知られています。例えば,ショ糖を多く含む清涼飲料水で急激に血糖は上昇し、食物繊維を含む玄米などでは血糖の上昇は緩やかです。食後の運動量によっても血糖は大きく変わってきます。炭水化物の量だけでインスリン単位を決定しても、これらの影響により血糖コントロールはうまくいかないことは多々あります。そのため、血糖コントロールのために食後に血糖が高くなるなら、その都度追加インスリンで血糖を修正する必要があります。食事の時だけ追加インスリンを打つよりも、血糖が高い時に修正インスリンを打ってコントロールするほうが明らかにHbA1cは低下します。