DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)

1993年に発表された糖尿病の大規模調査です。1型糖尿病患者さんを対象に行われました。

血糖コントロールでHbA1cが低下すると、網膜症・腎症・神経障害のリスクが有意に低下した初めての報告で、意外に最近に分かったことなのだと思いませんか。糖尿病専門医からすると、あまりにも有名すぎて意識にも上らないほどですが、私が医学生の時に主治医から教えてもらった初めての糖尿病大規模臨床報告で印象に残っています。当時のインスリンはアナログインスリンがなく、速効型と中間型、持続型(レンテインスリン)しかなかったので、HbA1c 7%まで低下させようとすると、当然、低血糖もかなり起こしていました。それでも、9%の群より合併症を起こすリスクが減っていたので、とにかくHbA1cを下げると三大合併症については発症進展を防ぎうるということになります。現在では、HbA1cだけではなく血糖コントロールの質も重要視されていますが、これについては、後日このブログに乗せていきます。

すでに日本語での説明があるので、以下にアドレスを載せておきます。

https://dm-net.co.jp/daikibo/1_dcct/

(文献)The Diabetes Control and Complications Trial Research Group. The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus. The New England Journal of Medicine. 1993;329:977-986.

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