糖尿病と妊娠について 14/17

妊娠中に強い飢餓状態に陥った場合、その胎児は出生後に成人になると肥満になる傾向があるという結果です。その原因として、妊娠中の栄養欠乏が食物摂取と成長を調節する視床下部の分化に影響を及ぼし、その後の食物利用を最大限に増加させることによって、過剰な脂肪の蓄積をもたらしたという推論があります。つまり、妊娠中に飢餓状態に陥ると、その胎児は出生後も同じように食事量が少なくなってしまうことを想定し、食事をとらなくても生きていけるよう、胎児の体内の仕組みを変更した可能性があるということです。そのため、出生後、食事を普通にとっていても肥満傾向になるという推論です。

出生後の早期に強い飢餓状態に陥った場合、成人になると肥満になりにくくなる、という結果については、出生後の脂肪組織の発達のための重要な期間に強い栄養欠乏が影響を与えたという推測があるようです。