坐位から立ち上がる行動の重要性 Breaks in Sedentary Time.

坐位時間が増えると、肥満、糖代謝異常やメタボリックシンドロームにリスクが増えると言われています。この研究では、坐位から立ち上がる回数を客観的に測定し、それと代謝リスクのマーカーとの関連を調べたものです。
2004年から2005年のオーストラリアの糖尿病、肥満、ライフスタイルの研究から採用された168人(平均年齢53.4歳)で検討しました。坐位時間は、7日間連続して起床時間中に着用した加速度計によって測定しました。坐位から立ち上がる回数を測定し、空腹時血糖値、食後2時間血糖値、中性脂肪、HDLコレステロール、体重、身長、ウエスト周囲、安静時血圧を測定し、関連を検討しました。
坐位時間や中~高強度の活動時間とは関係なく、坐位から立ち上がる回数の増加は、ウエスト周囲・中性脂肪・BMI、食後2時間の血糖値と有意に関連していました。つまり、座っている時間や運動量が多くても少なくても、立ち上がる回数が増えると、ウエストが引き締まり、中性脂肪が下がり、体重も減り食後血糖も低下するという結果です。
この研究により、しっかり運動するだけでなく、坐位から立ち上がる回数を増やすだけでも健康にいい影響を与える可能性が示唆されます。

(Healy GN, et al: Diabetes Care. 2008 31:661-6.)