DPP-4阻害薬 2/4

副作用ですが、DPP-4阻害薬は最近発売された薬剤であるため、極めて詳細な報告がなされています。

SAVOR-TIMI 53試験で、プラセボとの比較で心不全による入院が1.27倍増加する結果心不全の発症が増える報告がありますが、現在のところ機序は不明です。ただ、心不全による入院リスクの増加は投与開始後12か月後くらいまでに見られること、特に心不全既往や慢性腎疾患がある場合に顕著であることが示されています。(Scirica BM, et al : Heart failure, saxagliptin, and diabetes mellitus: observations from the SAVOR-TIMI 53 randomized trial. Circulation 130(18) : 1579-88, 2014)

また、DPP-4はT細胞などの免疫系細胞表面にもCD26として発現する分化マーカーとしても知られています。そのため、免疫系に変化を与えるとされており、鼻咽頭炎や尿路感染症のリスクが上昇することが報告されていいます。(Amori RE, et al : Efficacy and safety of incretin therapy in type 2 diabetes: systematic review and meta-analysis. JAMA 298(2) : 194-206, 2007)。また重篤な副作用として、水疱性類天疱瘡の報告もあります。