低血糖の原因としては
インスリンや低血糖の起こしやすい内服薬(SU薬やグリニド薬)を内服している方に対して注意が必要です。
1.食事の遅れ
もっとも頻度の高い原因です。昼>夕で危険性が高いです。中間型・持効型インスリンを使用しているとき、SU薬を使用しているときに注意が必要となります。食事の遅れが問題であると理解することはたやすいですが、実際に注意することは困難です。なぜなら、食事が遅れるということは、仕事や趣味などに没頭してしまうという原因があるからです。食事どころではないという状況は、同時に、低血糖どころではないという状況でもあるのです。このような状況で食事が遅れてしまったときには、低血糖の注意意識も薄れてしまうのです。
2.普段していない強度の強い運動
大掃除、運動会、ハイキングなどです。運動ではないが長風呂も血糖は下がる原因となります。運動の場合は運動中も注意が必要ですが、それよりも運動終了後4-5時間後の注意が必要。運動会などで久しぶりに頑張った方が、寝る前に低血糖になり運び込まれた例もあります。
3.食事量(特に炭水化物量)が少なかった時
炭水化物量が少ないときに、超速効型インスリンや普段と同じ量だけ打ったり、グリニド薬を普段と同じように服用したりすると、1-2時間後に低血糖を起こしやすくなります。グリニド薬であるグルファストを飲んでいる患者さんが懐石料理を食べた時に、低血糖発作を起こして救急車で運び込まれたことがありました。懐石のようなコース料理では最初に炭水化物が出ることは少ないのですが、最初にグルファストを飲んだためだったのです。ちゃんと説明をするべきだったと反省しています。
この3点を意識しておくことが重要だと思っています。