1型糖尿病とSGLT2阻害薬 8/17

ケトアシドーシスについて、

血糖値とは血液中のブドウ糖濃度のことです。そして、ブドウ糖とは生命維持に必要なエネルギー源です。膵臓から分泌されるインスリンによってのみブドウ糖はエネルギーに変換されますが、インスリン作用が不足すると、ブドウ糖はエネルギーに変換することができず、ブドウ糖が消費されないため血糖は非常に上昇します。

一方、体内ではエネルギーを必要とするためブドウ糖の代わりに脂肪をエネルギーとして利用するようになります。その脂肪をエネルギーとして利用した際の残りかすがケトンといわれるもので、これが多くなってくると、体が酸性に傾きケトアシドーシスといわれる重篤な病態を引き起こします。

1型糖尿病の場合、発症時でまだインスリン注射を開始していない場合、治療中でもインスリンを打つことを止めたり、必要以上に減量したりした場合、シックデイのようにインスリン必要量がかなり増えた場合などでケトアシドーシスを伴うことがあり、そのまま十分量のインスリンを打たないと数日で生命維持に危険が及ぶことになります。