現在、腎機能低下を予防すると報告のある薬物は、高血圧の薬であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)のみでした。ただし、これらの調査のほとんどは2型糖尿病患者で検討されたものです。糖尿病治療薬の尿糖排泄薬(SGLT2阻害薬)、ダパグリフロジンのCKDに対する効果は知られていません。この論文(N Engl J Med. 2020 Oct 8;383(15):1436-1446)はCKD患者において、2型糖尿病の有無に拘らず、ダパグリフロジンの有効性を認めたことを報告したものです。