インスリンポンプの仕組み 7/16

ボーラスウィザード

インスリンポンプには食事に対して必要なインスリン量・高血糖の補正のために必要なインスリン量を計算しインスリン量を決定するボーラスウィザードという機能が付いています。

インスリン1単位でどれだけの炭水化物をとれるか(糖質比)

インスリン1単位でどれだけ血糖が下がるか(インスリン効果値)

目標とする血糖値

を設定します。当然のことながら、糖質比・インスリン効果値・目標血糖は一日のうちで変動しますので、あらかじめ時間ごとに設定します。食事の際に注入する追加インスリンを決めるときに、取った炭水化物量とその時の血糖値を入力すると、糖質比・インスリン効果値・目標血糖から計算して追加インスリン量を計算してくれます。

メドトロニックのインスリンポンプの場合、残存インスリンを設定しておけば、インスリン効果値によって計算される補正インスリン量から残存インスリンを差し引いて計算してくれます。この機能の注意点として、タンパク質や脂質を多く含む食事をとったときには、食事後数時間は残存インスリンがあったとしても血糖は下がらないことが多いです。ボーラスウィザードでは残存インスリン分を差し引いたインスリン量が表示されるので、この機能のみに頼ってしまうと、なかなか血糖が下がらないことになるかもしれません。また、テルモのポンプの場合は、補正インスリン量だけでなく糖質比で計算されたインスリン量からも残存インスリン分を差し引いてしまうので、追加インスリンを打った後すぐに食事をとる場合に、ウィザード(ボーラス計算機能)で計算すると異常に低いインスリン量を出してきます。

そのため、注意深くインスリン量を自分で判断することも重要です。