高血糖にさらされたマクロファージがTNF-αやMCP-1といった炎症性サイトカインを産生することが報告されており、このようなサイトカインによって炎症性の組織破壊が亢進します。歯周ポケットの深さが5~6mm程度であれば、歯周病による慢性炎症の面積は、口の中全体では手のひらサイズほどにも及ぶため、炎症によってインスリンの効きが悪くなり血糖値を悪化させるのです。
そのため、糖尿病に歯周治療を施すことにより、歯周炎症に由来するTNF-αの産生量が低下し、血糖コントロールが改善するという報告があります。歯周治療によるHbA1cの改善効果は最大で1%前後であるとする研究も報告されているほどです。